最初に
この記事は、NAS上でDockerとPostgreSQLが稼働する環境を構築し、DaVinci Resolve Studioのコラボレーション機能を強化することを目的としています。お一人様には必要は全くもって必要のない機能なのですが、チームで動かれている方々には大変便利です。ただ、その制作環境づくり、ITの知識がないと大変ですよね。
弊社ではDebian GNUベースNASを使い、遠隔で撮影した動画アセットを、本社側でDaVinci Resolveを使用し、Collaboration機能を使って映像編集した経験を元に、制作環境構築において必要になる PostgreSQL の導入過程でコラボレーションに関する知見が溜まってきたので、Vookさんの場所をお借りまして、惜しくもなく記事にしてポストハウスIT関係各所の皆様のググる回数を減らしたいと思います。
BlackMagic社のDaVinciの説明書は、PDFで約4,000ページと最適な短さなのですが、NAS上のPostgreSQLを使用した制作環境構築方法はほぼ書かれていませんので、ぜひこの乱文を参考にしてみてください。
無謀とも言える、映像撮影と同時進行での遠隔編集をチームで考えられている方々の参考になれば幸いです。
BMD公式の記事も併せてご覧いただくといいかもしれないです。
NAS版PostgreSQLでできること
- ローカルで完結することなく遠隔編集・制作がもっと楽になる!*
- VPNを構築すれば、社外からプロジェクトにアクセスできること(グローバルIPをお持ちの場合のみ)
- プロジェクトファイルとアセットデータの一元化ができること
- DaVinci Resolveのマッピングマウント機能を利用し、効率よく共通のアセットに高速でアクセスできるようになること
- タイムライン(ロックされていないBin)の中身は常に最新のものとして共有されていて、遠隔でもリアルタイムにプロジェクトの情報が共有できること
- リモートストリーミングサービス「Parsec」(無料)などを組み合わせばさらに制作体制のバリエーションが増えること
2. ファイルサーバー用PCを作らなくても良くなる!
3. アップデートがすごく簡単に!
- Dockerを使うことでコンテナのPostgreSQLのアップデートが簡単になり将来のDaVinci Resolveの新バージョンにも簡単に対応できること
この記事の対象者
- ポストハウスのITヘルプデスク
- 遠隔で制作をやってみようかなと考えている無謀なクリエーターチーム
- DaVinciのコラボレーション機能の導入を、新たにサーバー用PCを使わずNASの仮想化環境での使用を考えている方々
- ネットワーク環境構築が得意な方
弊社ITスペック
使用マシン
- Win 11 & Mac Monterey
使用ソフト
- PuTTY
- DaVinci Resolve Studio 18 Public beta 5
使用ネットワーク機器
- Netgear ReadyNAS 626x(36TB) OS: Debian 8 Linux(Jessie)
- Netgear XS708E 10GBE 注)DaVinci Reosolveでコラボレーションをする場合10GBE環境は必須になります。
使用プラットフォーム
- Docker CLI
使用コンテナ
- PostgreSQL
- Portainer
VOL.1の説明
ここでは、PostgreSQLとPortainerをインストールする手順を説明します。
コマンド打つのが上手な方は簡単です。
VOL.2の説明
ここでは、DaVinci Resolve Studiosと、マシン側の設定を説明します。
これをやらないとコラボレーションが出来ません。
VOL.3の説明
ここではDRSの応用的な設定方法を説明します。
チームが大きい場合は素直に設定されたほうが良いです。
全体像

Docker CLIは、Docker Commandを実行するコマンドラインツールです。入力したコマンドに応じDocker Engine APIを呼び出し、Docker DaemonがLinuxのデーモンプロセスとなり、Docker Engine APIを呼び出されるのを待ち受けていたり、イメージのビルドや、コンテナの起動、再起動を行います。今回はこのDockerの「コンテナ」にPostgreSQLを搭載し、DaVinci Resolve に対応するようにしたいと思います。
関係ないですがDockerのロゴの鯨めちゃくちゃかわいいくないですか?自分はすごい好きなんです。
DebianでのSSH化手順
ReadyNASはデフォルトではSSH(Secure Shell)化されていないため、SSH化をし、ルートにアクセスを出来るようにします。
設定方法
SSH Access support
https://kb.netgear.com/30068/ReadyNAS-OS-6-SSH-access-support-and-configuration-guides
- [システム]→[設定]→[サービス]と進みます。
- [SSH]をクリックします。
- サポートの警告が表示されますので、[はい]をクリックします。
- [SSHを有効にする]と[パスワード認証を有効にする]を選択します。
- 適用をクリックします。
- [アカウント] > [ユーザー]を選択します。
- [ユーザー]をクリックし、[設定]を選択します。
- [SSH] を選択し、[Allow shell access] を有効にします。
9. [適用] をクリックします。 これでユーザーはユーザー名とパスワードを使って SSH で ReadyNAS に接続できるようになりました。
その他のNASのOS
いろいろなOSがありますが、ここではDebianをメインに説明をします。もしお持ちのNASのOSがLinux Debian以外の場合には以下を参照下さい。基本はどのNASもSSH化が必須です。
CentOS
https://docs.docker.com/engine/install/centos/
FreeBSD (TrueNAS, XigmaNASなど)
https://wiki.freebsd.org/Docker
Fockerというオーケストレーションツールもあります。
https://github.com/sadaszewski/focker
openmediavault
ベースがDebian GNUなので、現記事を参考にして下さい。もしわからない場合、以下の記事を参照にして下さい。
https://forum.openmediavault.org/index.php?thread/40489-how-to-prepare-omv-to-install-docker-applications/
https://hub.docker.com/r/ikogan/openmediavault/
その他NASメーカー
Synology
https://www.schaupper.at/synology-davinci-resolve-shared-database/
Buffalo TeraStation
https://hub.docker.com/r/gobuffalo/buffalo/tags/
https://blog.gobuffalo.io/buffalo-docker-images-ff3938dcaa53
PuTTYのインストール
PuTTYとは、様々なOSや通信プロトコルに対応した人気の高いPuTTYソフトの一つで、無料でダウンロードが可能です。
ダウンロードリンク
https://www.putty.org/
chiark.greenend.org.uk/~sgtatham/putty/latest.html
なぜPuTTY?
CMD、PowerShell、Terminalを使用せず、効果的にSSHクライアントとして活用出来るのでおすすめです。
WindowsユーザがターゲットだがMac版PuTTYも用意されている
PuTTYは基本Windowsで利用が多くMacでの利用ユーザーはかなりマイナーです。ただ、Macにも対応はされておりMac OS X以降、PuTTYで利用できるようになりました。
Mach版PuTTYのインストールは、Xcodeとhomebrewがインストールされていることが条件になります。詳しくはこちらの外部記事を御覧ください。https://agency-star.co.jp/column/putty
他にもMac用のSSHクライアントはあります。Termiusがとても使いやすいです。
PuTTYからNASにSSHログインでルートアクセス
まずは Host NameにNASのローカルIPを入力しましょう。その他は変更する必要はありません。
その後以下のコマンド画面が表示されるので、以下を入力するとDebian側にルートアクセスがきます。
login as: root root@[ここに任意のローカルIPアドレスが表示されます]'s password: SSH化の際に使用したパスワードを入力
まずはDebianのVersをチェックしましょう。
cat /etc/os-release $ lsb_release -a $ hostnamectl
すると以下のようなメッセージが表示されます。(以下は弊社のもの)
Welcome to ReadyNASOS 6.10.7 Last login: Fri Jun 24 22:38:49 2022 from win-production1 root@RM-626X:~# cat /etc/os-release PRETTYNAME="ReadyNASOS 6.10.7" NAME="Debian GNU/Linux" VERSIONID="8" VERSION="8 (jessie)" ID=debian HOMEURL="http://www.debian.org/" SUPPORTURL="http://www.debian.org/support" BUGREPORTURL="https://bugs.debian.org/" root@RM-626X:~# lsb_release -a
OSのバージョンに問題がなければDockerの追加も問題ありません。
Debian 8 Linux への Docker のインストール
DebianシステムまたはサーバへのDockerのインストールは簡単で、Dockerリポジトリを有効にして、リポジトリのGPGキーをインポートした後にパッケージをインストールします。最初のステップでは、パッケージリストを更新し、新しいHTTPSリポジトリを追加するために必要な依存関係をインストールします。
$ apt update $ apt install apt-transport-https ca-certificates curl gnupg-agent software-properties-common
DockerのリポジトリのGPGキーを以下のcurlコマンドでインポートします。
$ curl -fsSL https://download.docker.com/linux/debian/gpg | sudo apt-key add -
GPG 鍵をインポートしたら、以下のコマンドで Docker の APT リポジトリを追加する必要があります。
$ add-apt-repository "deb [arch=amd64] https://download.docker.com/linux/debian $(lsb_release -cs) stable"
これでDockerのリポジトリが有効になりましたので、現在のリポジトリで利用可能な任意のバージョンのDockerをインストールすることができます。
最新版Dockerのインストール
最新版のDockerをインストールするには、以下のコマンドを使用しますが、インストールするDockerの特定のバージョンをインストールしたい場合は、これをスキップして、次のコマンドに進んでください。
$ apt update $ apt install docker-ce docker-ce-cli containerd.io
特定のバージョンのDockerをインストールする
特定のバージョンのDockerをインストールするには、リポジトリに利用可能なバージョンのDockerのリストがあるはずです。利用可能なDockerのバージョンの一覧を取得するには、以下のコマンドを使用します。
apt update apt list -a docker-ce
2列目にあるコマンドの出力に、利用可能なDockerのバージョンが表示されます。
output: docker-ce/focal 5:19.03.9~3-0~debian-focal amd64
以下の例のように、パッケージ名の後に“=”と記述することで、特定のバージョンのDockerをDebianマシンにインストールすることができます。ここでは [18.06.3-ce]を使用します。
$ apt install docker-ce= docker-ce-cli= containerd.io
インストールに成功すると、Dockerサービスが自動的に開始されます。Dockerサービスの状態を確認するには、以下のコマンドを使用します。
$ systemctl status docker
すると以下のような出力になり、稼働していることを確認できます。
$ systemctl status docker ● docker.service - Docker Application Container Engine Loaded: loaded (/etc/systemd/system/docker.service; enabled; vendor preset: e nabled) Active: active (running) since Tue 2022-06-28 14:57:37 JST; 3h 5mi n ago Docs: https://docs.docker.com Main PID: 5995 (dockerd) Tasks: 86 Memory: 88.0M CPU: 26.278s CGroup: /system.slice/docker.service ├─5995 /usr/bin/dockerd -H fd:// -g /apps/docker-cli-rnapp ├─6063 docker-containerd --config /var/run/docker/containerd/containe rd.toml ├─7456 /usr/bin/docker-proxy -proto tcp -host-ip 0.0.0.0 -host-port 5 432 -container-ip 172.17.0.2 -container-port 5432 ├─7499 /usr/bin/docker-proxy -proto tcp -host-ip 192.168.0.100 -host- port 9000 -container-ip 172.17.0.3 -container-port 9000 ├─7535 docker-containerd-shim -namespace moby -workdir /apps/docker-c li-rnapp/containerd/daemon/io.containerd.runtime.v1.linux/moby/9cc0024022d852f4e de9697658d0a5e262ebd04c95680240e5c333f09c3394c2 -address /var/run/docker/contain erd/docker-containerd.sock -containerd-binary /usr/bin/docker-containerd -runtim e-root /var/run/docker/runtime-runc
以下のコマンドで指定したバージョンがしっかりインストールされたかチェックしておきます。
$ docker version
以下が表示されたらDockerインストール成功です!
Client: Version: 18.06.3-ce API version: 1.38 Go version: go1.10.3 Git commit: d7080c1 Built: Wed Feb 20 02:28:55 2019 OS/Arch: linux/amd64 Experimental: false Server: Engine: Version: 18.06.3-ce API version: 1.38 (minimum version 1.12) Go version: go1.10.3 Git commit: d7080c1 Built: Wed Feb 20 02:27:21 2019 OS/Arch: linux/amd64 Experimental: false
PostgreSQLをDockerにインストール
Dockerをインストールできたら、PostgreSQLのイメージをインストールしよう
さてなぜこんなにもコマンド打って頑張らないといけないかというと
Dockerが使いやすいからです! そもそもの理由として
ReadyNASのOSが古いから、に尽きます・・・
Dockerにするメリットは沢山ありますが、こちらでは割愛するので、興味のある方はこちらの記事を御覧ください。
Dockerのメリットを徹底解説!仮想マシンとは何が違う?
https://and-engineer.com/articles/YaJcFRIAAB4AiFgz
PostgreSQLとは一体!?
PostgreSQL(ポストグレスキューエル)はオープンソースのリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)のことです。DaVinciのマルチユーザーコラボレーション機能ではこの共有データベースが使用されています。マルチユーザーコラボレーション制作環境構築において絶対に逃れられない存在となっています。もちろん正規の方法でファイルサーバー用ローカルマシン上で共有フォルダを作り、そこにProject Server、PostgreSQLをインストールして、スタッフ全員そこにアクセスする方法もあるのですが、なにか…いつもカバンの中を覗かれているようで嫌じゃないですか?(完全な個人的意見)
もしローカルネットワーク内で完結させたいのでさればこちらのBMD公式の記事のほうがお役にたちます。
一つのプロジェクトを複数人で同時作業 〜DaVinci Resolveのマルチユーザーコラボレーション〜
DaVinci Resolveにはコラボレーションというパワフルな機能があります。複数人で同時に一つのプロジェクトにアクセスして、作業を同時に進めることができる機能です。 コラボレーションの設定…
NASがあるならエレガントな問題解決方法としてファイルの一元化とDockerという選択肢をぜひご検討いただきたいです。NASやサーバー環境があるなら仮想環境構築をDockerを使い、PostgreSQLをインストールしたほうが色々といいんです!ローカルマシンに負荷がかかることもありませんし、ファイルサーバ側にPCIの10gbeカード入れてないなら尚更です。
インストール先の設定!重要!
新しいコマンドウィンドウを開き、以下のコマンドを実行します。
docker pull postgres
既存のDocker Imageの一覧を取得するには、以下のコマンドを実行します。
docker images
次のステップでは、Docker HubからコピーしたコマンドをPuTTYに入力します。
docker run --name some-postgres -e POSTGRES_PASSWORD=パスワード例 -d postgres
上記のコマンドをカスタマイズし、必要なパラメータを追加することで、Docker上でPostgreSQLを設定することができます。
docker run --name postgresql -e POSTGRESUSER=myusername -e POSTGRESPASSWORD=mypassword -p 5432:5432 -v /data:/var/lib/postgresql/data -d postgres
コマンド説明
-e POSTGRES_USER
Postgresデータベースに固有のユーザー名を設定するパラメータです。
-e POSTGRES_PASSWORD
Postgresデータベースのパスワードを設定するパラメータです。
-p 5432:5432
Host PortとDocker Container Port間の接続を確立するためのパラメータです。この場合、両方のポートに5432が指定されており、Host Portsに送られたリクエストは自動的にDocker Container Portにリダイレクトされることを示しています。また、5432はPostgreSQLがクライアントからのリクエストを受け付けるのと同じポートでもあります。
-v
Postgresのデータをローカルフォルダに同期させるパラメータです。これにより、Dockerコンテナが終了しても、Postgresのデータがホームディレクトリに安全に存在するようになります。
-dは、Docker Containerをデタッチドモード、つまりバックグラウンドで実行するためのパラメータです。誤ってコマンドプロンプトを閉じたり、終了させたりしても、Docker Containerはバックグラウンドで実行されます。
postgres
Docker Containerを実行するために事前にダウンロードしたDockerイメージの名前です。
ここで、を実行
docker ps -a
新しく作成された PostgreSQL コンテナの状態を確認します。
Use postgres/設定したユーザー名/password credentials version: '3.1' services: db: image: postgres restart: always environment: POSTGRES_PASSWORD: パスワード設定 adminer: image: adminer restart: always ports: - 8080:8080
注意!
ルートフォルダ内にデータベースを増やしていくと将来問題が出る可能性がありますのでご注意を!
Symlinkを利用することで対応が可能です。
Portainerをインストール

ここまではちょっとITの知識があればなんとかなるんですが、PuTTYからコマンドを毎回打つのは面倒なので、Portainerというイメージをインストールして、使いやすいGUIでPostgreSQLの状況を可視化することができます。
dockerのGUI管理ツール「Portainer」をdockerで構築する手順
外部リンク https://mebee.info/2020/04/24/post-10314/
Portainerのイメージをpullします。
docker pull portainer/portainer
Portainer起動
イメージがダウンロードできたので起動します。
docker run -d -p 9000:9000 --name <任意の名前> --restart always -v /var/run/docker.sock:/var/run/docker.sock -v /opt/portainer:/data portainer/portainer
firewallが設定されている場合は9000番ポートを許可します。
sudo firewall-cmd --add-port=9000/tcp --zone=public --permanent sudo firewall-cmd --reload
Portainer初期設定
ブラウザから http://プライベートIP:9000 にアクセスすると下記の画面が表示されるので、指示に従いユーザー作成をしてください。
以下の管理画面にアクセスできれば構築は完了です。
Portainer簡単な使い方
ダッシュボードにあるlocalをクリックすると、コンテナやイメージ、ネットワーク、ボリュームといった情報が全て確認できます。
Vol.1まとめ PostgreSQLの設定まで
1. 社内で10GBE環境で動くNASを組みネットワークを構築する
2. NASをSSH化して、ルートアクセスが出来るようにする
3. SSHクライアントをインストールし管理しやすくする
4. DockerをコマンドでNASにインストールする
5. PostgreSQLをDockerに載せる
6. ついでにPortainerもDockerに載せて可視化し管理しやすくする
VOL.1の説明
ここでは、PostgreSQLとPortainerをインストールする手順を説明します。
コマンド打つのが上手な方は簡単です。
VOL.2の説明
ここでは、DaVinci Resolve Studiosと、マシン側の設定を説明します。
これをやらないとコラボレーションが出来ません。
VOL.3の説明
ここではDRSの応用的な設定方法を説明します。
チームが大きい場合は素直に設定されたほうが良いです。
超重要!ドライブレターの割り当て(Win)
事前準備として、今回PostgreSQLのPG_DATAを置いたNASのパーティションを、共通のドライブレターとして各ローカルマシンに割り当てます。
TIPS 注意度レベル「5」 ドライブマッピングとは関係ありませんが、PG_DATAフォルダやその階層は隠しフォルダにしておいて管理者以外誰も一切触れられないようにしておきましょう。スタッフに恨み持たれてこの階層内データを完全に消去されたら御社は絶対に詰みです。多分廃業に近いです。気をつけて下さい。
Win
Windows でネットワーク ドライブを割り当てる方法
TIPS 注意度レベル「5」 弊社ではResolveの頭文字をとって、「R:\」とマッピングしています。ここの記事でも「R:\」を利用しています。 他のスタッフのマシンでも、ドライブレターが全く同じでなければ、エラーが絶対に発生するので、御社内で共有でスタッフ全員に全く同じドライブレター名を割り当てて下さい!!!! 共有のドライブレターが、御社内のよくわからない偏屈な情シスの中の人たちの(偏見)ルールとか、よくわからんけど使えない場合は詰んでるので諦めて下さい。他のスタッフが共有として使うと決めたドライブレター使ってたらITの権力で勝手に変えちまえ! 僕は責任とらんけど。 これをやらずに御社内で問題起こしても、うち、知らないんだからッッ!もうっ!注意したんだからねっ!!!(経験者は語る) 何度も言いますが共通ドライブレターを持つことは超重要です!
いや、これ簡単なことなのにエラーの問題が分かるのにすっごい時間かかったんですよ…超恥ずい…ドライブレターのアサインに関しては共通ルールとして御社内で決議する必要があります。関わるスタッフ、他の外部スタッフにもこのドライブレターの割り当てついては徹底なる周知が必要です。でなければ、急にアセットがオフラインになるんですよ…、もとに戻しても毎1分ぐらいとかに発生する。でもなんで起きてるのかわからない、という事態が発生します。 僕がすでに経験していて、時間をかけてトラブルシューティングをしたことなのでここは超重要です。 大きい組織になるとここらのルールとか他組織に伝わってなかったり、勝手に設定変えたりする人がいると簡単に想像できます。簡単な間違いなのに、エラー続出で制作がもんのすごく滞ったりするので本当に、本当に気をつけてください!!!
TIPS 注意度レベル「1」 Macは、Winほど気にすることはありません。ただ下のところでMacのドライブパスの設定も重要になってくるので、Win+Macが混在する環境の会社は下のMapped Mount部のパス入力で注意して下さい。
Project Libraryの設定
TIPS 注意度レベル「3」 この記事の前提としてどのマシンにもすべて最新OSで同じバージョンのDaVinci Resolveをインストールされていなければならない!です。 32bitのプラグインや昔のPro Tools(永久版)の関係で昔のOS(Mojaveとか)使ってて、 「いっけなーい!このマシン、DaVinci Resolve 17しかつかえなーい!どーしよぉ^^?」 とかいう御社は全マシンでの夢のコラボレーション機能についてはここで「詰み」です。とうとうMontereyにアップデートですね。おめでとうございます。(経験者は語る) 弊社は結局現在は最新のDaVinci Resolve Studio18 Public Beta最新版と最新OSを全マシンで使用しています。クッソワロタ
用意したPostgreSQLにDaVinciからアクセスしよう!
Project Managerの設定
- Networkを選択
- Add Project Libraryをクリック
- Add Project Libraryのウィンドウが新たに表示されます
- NameにPostgreSQL や、サーバー名など任意の名前を入力
- LocationにNASのローカルIPのアドレスを入力
- Username+Pasword Usernameは変更なし、PasswordはPostgresで設定したものか、DaVinciのデフォルト値(davinci)
- Connect で接続
接続できたら、左のペインに、③で追加したサーバー名が追加されます。「!」マークをクリックすると追加した情報を確認できます。
①Remove
追加したProject library情報を削除できます。
注)サーバー側にある元データは消えません。
② Share key
Keyファイルを保存することで、今回追加した情報を他のスタッフに今回入力した情報をシェアすることができます。
TIPS 注意度レベル1 Keyファイルの管理者を決めると良いでしょう。
Share Keyの使い方
Project Managerにドロップすることで、ローカルIPアドレス、プロジェクトライブラリー名、ログイン情報などを入力せずに、Project Libraryを追加することができます。
追加情報
- Location – 今回追加したNASのローカルIPアドレス
- Status – Compatibleで互換はOk!という意味
- Schema – NASのアドレスにはじめて追加した日
- Remark – BMD側からのメモ
- Created – Project Libraryの作成日
- Modified – 最後にアクセスした日
下のBack up, Optimize, Duplicateは今は触らず無視して下さい。
Preferenceの設定

以下の通りに設定をします。
- DaVinci Resolve>Preferenceを選択
- System>Media Storage を選択。 マシンのOSごとに設定が違いますので以下の通りに設定をします。
Win
Mount部分に、今回割り当てたドライブレター(Win)と、Mapped MountにMac(Unix)のVolumeパスを記載しておきます。
弊社では、ドライブレターは「R:\」をアサイン、NAS上にPGDATAを置いたパーティションを「DaVinci」と名付けましたので、ここでは「/Volumes/DaVinci/」と入力しています。
Mapped Mount部分をクリックして「/Volumes/(PGDATAが置いてある任意のパーティション名)/」と入力し追加して下さい。
Mac
Mount部分に、「/Volumes/(PG_DATAが置いてある任意のパーティション名)/」と、Mapped Mountに「上記でアサインした共通ドライブレター:\」入力します。
弊社では、Mountを「/Volumes/DaVinci/」、Mapped Mountを「R:\」と入力しています。
3.すべて入力したらSaveをして保存します。ほかはいじらなくて大丈夫です。
Project Settingの設定

File>Project Settingより任意のフォルダを選択します。基本はデフォルトのパスを使用します。
TIPS 注意度レベル「4」 (経験者は語る) 弊社は最初PG_DATAと同じ階層に「Media」というフォルダを作ってその中に3つのフォルダを突っ込んでいました。ですが、めちゃくちゃエラーでましたので、おすすめしません。 Media Storageには上記の通り、ドライブレターのみをアサインすると、パーティションのトップに上記の3つのProxy Media、CacheClip、.Galleryのフォルダが自動でできます。放置して下さい。 僕はひねくれ者で放置したくなかったのでSymlink使って別のことろにセーブしています。本当に必要であれば別フォルダにアサインしてください。ですが、必ず全員が同じパスを使用してください。 何度も言いますがおすすめはデフォルト値です。基本DaVinciはデフォルト値であれば問題が起きにくいのです。凝ることを一切辞めると肩の荷がすぅーっと軽くなります。 全員必ず同じフォルダをアサインしてあげて下さい。ここは他人に任せるのではなくてIT担当者がやる仕事です!デフォルト値でもしっかりと同じになってるよう確認して下さい。一人でも違っているとあとで地獄をみますよ!
VOL.1の説明
ここでは、PostgreSQLとPortainerをインストールする手順を説明します。
コマンド打つのが上手な方は簡単です。
VOL.2の説明
ここでは、DaVinci Resolve Studiosと、マシン側の設定を説明します。
これをやらないとコラボレーションが出来ません。
VOL.3の説明
ここではDRSの応用的な設定方法を説明します。
チームが大きい場合は素直に設定されたほうが良いです。
Symlinkで解決!チーム内でのLUTをシェアしよう
DaVinci Resolveでは、LUTのフォルダのアサインができない仕様になっているため、チーム内でグレーディングをした際に、グレーディングマシン以外でプロジェクトを開くと以下のようなエラーが吐き出されることがあります。

このエラーを阻止するために、NAS上にLUT専用フォルダを作り、Symbolic Link、通称Symlinkを関係するすべてのマシンに対して設定し参照することにより問題を解決できます。
Symlink設定方法
- DaVinci Resolveのフォルダを開く(デフォルト値)
Win
C:\ProgramData\Blackmagic Design\DaVinci Resolve\Support\LUT
Mac
Mac HD > Library > Application Support > Blackmagic Design > DaVinci Resolve > LUT
もしほかの場所にDaVinciをインストールした場合、以下より場所の確認が可能です。確認したら、DaVinci Resolveを閉じましょう。
Project Settings > Color Management > Lookup Tables > Open LUT folder
2. フォルダ内にあるLUTフォルダの名前を変更する

3. Symlinkのアサイン
弊社では、チーム内で同じ物を使用するオーバーレイ用動画や、プリセット、関連ソフト、LUTなどのアセットはすべてNAS側のフォルダに一元化しています。
ここで、DaVinci側がこの「一元化LUTフォルダ」を参照するようにSymlinkを設定します。
弊社ではWinとMacが混在していますが、Winでは以下のソフトを使用し、Symlinkを作っています。
Link Shell Extensionをインストール
Win
3a. NAS側のLUTフォルダを選択、右クリックからPick link sourceを選択
3b. C:\ProgramData\Blackmagic Design\DaVinci Resolve\Supportのフォルダを選択
3c. 右クリックでDrop as > Symbolic Link でショートカットを生成
PowershellまたはCMDでの設定方法
詳しい方法はこちらから御覧ください。
シンボリックリンクの作成と削除
Mac
Macはターミナルから設定を行います。
3a. ターミナルを開く
3b. 以下を入力
ln -s /NAS上の任意のLUTのパス /Library/Application Support/Blackmagic Design/DaVinci Resolve/LUT
これでNAS側に設定したLUTフォルダを設定できました。
DaVinciのLUTフォルダ内の全てをNAS側のフォルダにコピーを忘れずに!
VST設定方法
VSTとは
Steinberg’s Virtual Studio Technologyの略で、DAWを触っているかたでしたらご存知のプラグインエフェクト類のことです。
弊社はMAスタジオがあるため問題はないのですが、チームの映像制作者ですと音の編集の弱さが見受けられます。
Fairlight使用時にVSTエフェクトなどもローカルではなく、NASにもVSTを用意することによって、チーム内で多岐にわたるオーディオエフェクトを使用しすることが可能になります。MAの編集の高みに望みましょう。

- Davinci Resolve > Preferencesを選択
- Audio Plugins > VST Effects > AddからNAS上のVSTプラグイン用フォルダを追加
- Available Pluginsで使用できるプラグインを確認できます。
- Saveで設定終了
Control Panelsの追加 (グレーディングパネルをお持ちの方のみ)
弊社の様子
BMDや、Tangentのグレーディングパネルをチームメンバーがご利用されている場合は必ずコントロールパネルの設定を忘れずに。

- Davinci Resolve > Preferencesを選択
- Control Panels > Color Grading Panel > 任意の対応パネルを追加
- Saveで設定終了
コラボレーション機能のよくあるトラブルと回避方法
コラボレーション機能はとても便利ですが、完全ではありません。なにしろBMD社があまりコラボレーション機能についてドキュメントを作られていないため、今でもよくわからないことが多いのです。プロジェクトの設定方法を工夫することによって、問題を回避することができます。
問題1 コラボレーションができない
解説
Project Manager上で各プロジェクト右上に以下のアイコンが出ていない場合は、Single User Projectでロードをしている可能性があります。
回避方法
File > Multiple User Collaborationを選択
Multiple User Collaborationをチェックを入れることでコラボレーション機能を使用することができます。
問題2 ロックされてなにも編集ができない
解説
DaVinci Resolveのコラボレーション機能ではチームメンバーがプロジェクト編集中はBin内すべてのものが、以下に対してロックがされ、編集ができなくなります。
- Media
- Cut
- Edit
- Fusion
- Fairlight
逆に他のメンバーが編集中に使えるものは以下のみです。
- Color
回避方法
Master内にタイムラインを作りそこで編集してしまうと、すべてがロックされてしまうため、シーンごとにBinを作ると、すべてのフォルダのロックを回避することができます。
問題3 急にメディアが全部オフラインになってしまった。
解説
Media Mappingの設定ミスの可能性があります。ドライブ(Win)とボリューム(Mac)のミスマッチが起こしているのが原因です。
回避方法
Vol.2にてMedia Mappingについて御覧ください。
NASを使用したDaVinci Resolveのマルチユーザーコラボレーションでの遠隔編集方法(Vol.2)
VOL.2 コラボレーション機能を使うために必要なDaVinci Resolveの設定方法 さて、Vol.1ではPostgreSQLの設定まで行いました。まだDocker+PostgreSQLに…
問題4 LUTが見つからないというエラーが出る
解説
DaVinci Resolveのカラーグレーディングで使用するLUTは、ローカルマシン上で参照すること前提にしているため、チーム内で使用するには問題が発生します。
回避方法
本記事のSymlinkの設定を御覧ください。
まとめ
1. LUTを共有アセットとしてNASに置くためにSymlinkを作る!
2. VSTを共有アセットとしてNASに置く!Symlink作っても良いぞ!
3. IT担当者はグレーディングパネルも忘れずに設定を!
4. トラブルはほぼ担当者の設定ミス!間違えないで!